Q8.骨盤の骨の肉腫と診断されました。転移はしていないと言われています。先生からは、腫瘍が大きく神経や血管を巻き込んでいるため、足を残して腫瘍を取りきること(患肢温存)は困難で、治癒を目指すためには切断(骨盤半截)しかないと言われました。術後歩くことは可能でしょうか?
┃回答者:米本 司先生
千葉県がんセンター 整形外科
A.腫瘍が存在する部位によって切離断のレベルは異なり、そのレベルによって術後の合併症や機能は様々です。
典型的な骨盤半截術では仙腸関節部以下の離断となります。
術後合併症として血腫の形成や皮弁の血流不全がみられることがあり、これらの合併症によって術後のリハビリがなかなか進まない場合もあります。
膀胱などを合併切除した場合には尿路変更や人工肛門の造設などで日常生活が制限されることもあります。
また、高齢者では術後のリハビリが進まずに車椅子生活になってしまう可能性もあります。
つまり、症例ごとにリハビリのゴールが異なってくるというのが本当のところだと思います。
しかし、若年者では辛抱強くリハビリを行なうことによって、最終的には両松葉杖を使用しての歩行が可能になる場合が多いようです。
骨盤半截術後の義肢は装着が困難なので、ほとんどの人は義肢を使用せずに両松葉杖で歩行されています。
このように、骨盤半截術はとても大変な治療ではありますが、どうぞ、信頼できる先生と一丸になって、病気に立ち向かっていただきたいと思います。
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