Q2.ふくらはぎにこぶし大の腫瘤ができて近くの総合病院で調べてもらったところ、『悪性の軟部肉腫が疑わしいがこれ以上詳しいことはわからない』と言われました。肉腫には沢山の種類があると聞きましたが、どれくらいの種類があるのでしょうか?また、これからどのようにしたら良いでしょうか?
┃回答者:上田 孝文先生
国立病院機構大阪医療センター 整形外科
A.肉腫という病気には、脂肪肉腫や平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、未分化多形肉腫、滑膜肉腫、神経肉腫(悪性末梢神経鞘腫)、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫などなど、非常に多くの種類(専門的には“組織型”と言います)があり、さらに細かな分類のもの(“組織亜型”)を入れると50種類以上に分かれます。
そのそれぞれの病気は進行の仕方や速さなど性質が異なるため、肉腫に対する最適の治療を行うには、まず初めに正確な診断(病理組織診断)をつけることが最も重要な第一ステップとなります。
しかも、肉腫は種類が多いのみならず診断も難しいことが少なくないため、“こぶし大の腫瘤(しこり)”がふくらはぎに認められた場合には、一般の総合病院や診療所などで診断確定のための生検を受ける前に、まずは骨・軟部腫瘍(肉腫)専門施設に紹介をしてもらうのが一番よいでしょう。
一般的に、大きさが3cm以上(体格の大きい欧米では最大径5cm以上とされています)の腫瘤、あるいは皮下組織より深い部位にある腫瘤では大きさに関わらず、良性か悪性か少しでも判断に迷う場合にはすべて、診断確定のための生検(局所麻酔下での針生検を含む)も行うことなく、すぐに骨・軟部腫瘍(肉腫)専門施設に紹介してもらうのが良いと推奨されています。
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