局所治療(10)

Q10.大腿骨遠位の骨肉腫と診断され、抗がん剤治療を行っています。これから手術(広範切除+人工関節)が予定されていますが、手術をしないで治療する方法はありますか?
 
写真今井先生(再トリミング)回答者:今井 礼子先生

国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所病院

 
 
 
A.切除可能な肉腫に対する局所療法の第一選択(標準的治療法)は手術です。
何らかの理由で手術ができない肉腫の場合、放射線治療が選択されることがありますが、肉腫は放射線治療が効きにくいと言われていますので、通常の放射線治療(X線治療)ではなく、重粒子線治療という特殊な放射線治療を行うことがあります。

 

四肢の骨原発肉腫(骨肉腫や軟骨肉腫)に対して重粒子線治療を行った場合、治療後数年以内に照射した範囲が骨折してしまいます。
病気の骨に重粒子線を照射すると骨が脆くなってしまうためです。
骨折をしたままでは日常生活は送れませんので、結局手術をすることになります。
しかし、このような状況での手術の場合、術後の手足の機能は最初から手術をしてきちんと治療をした場合より悪くなります。
最悪の場合、切断となる可能性もあります。

 

以上のような理由から四肢の骨原発肉腫には重粒子線治療は行っておりません。
四肢の骨肉腫は標準治療をきちんと受けていただければ、治る可能性がとても高い疾患ですので、手術をお勧めいたします。

 
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