専門医に聞く~肉腫なんでも相談~

黒板(肉腫なんでも相談)3

肉腫(サルコーマ)は癌(キャンサー)にくらべて大変まれで、悪性腫瘍(広い意味での“がん”)全体の1%以下といわれています。

悪性腫瘍は、その生じた組織によって、大きく次の3つに分けられます。

1.『癌』:英語ではCancer(キャンサー)と言われます。
■■胃癌、肺癌、乳癌など5大がんをはじめ“がん”と言われるものの多くはこのタイプです。
2.『血液由来の悪性腫瘍』:白血病、リンパ腫など。
3.『肉腫』:英語ではSarcoma(サルコーマ)と言われます。
■■骨、筋肉、脂肪など体を支える組織を構成する細胞の悪性腫瘍で、悪性骨軟部腫瘍とよばれることもあります。

米国のデータによると、骨の肉腫(悪性骨腫瘍)の年間発生数は人口10万人あたり約0.8人、軟部肉腫(悪性軟部腫瘍)は約2.0人とされています。
これを人口約12,000万人のわが国に当てはめると、全国で一年間に発症する骨の肉腫の患者さんは約1,000人、軟部肉腫の患者さんは約2,500人程度と予想されます。
都道府県あたりにすると年に数人から数十人という数になります。

肉腫は、このようにまれな病気のため、専門家の数も限られ、その診療に長じた病院もけっして多くはありません。
また、患者さん同士が知り合う機会も限られています。
さらに、一般の方が肉腫に関する正確な最新の情報を得ようとしても、なかなか信頼できる情報ソースにたどり着けないということも大きな問題です。

「たんぽぽ」は、国立がん研究センターで肉腫の治療を受けた患者さんたちが中心となって立ち上げた患者会ですが、その活動は国立がん研究センターにとどまることなく、肉腫で困っている全国の全ての患者さんやご家族の皆さんに開かれています。
また、その思いは、今、困っている仲間の力になりたいという純粋な温かい気持ちに支えられています。

私たち「たんぽぽ」の“メディカルアドバイザー”は、その思いに共感し、肉腫の診療にたずさわる専門家として、専門医の立場から、エビデンス(科学的根拠)に基づく確かな情報を皆さんにお伝えするお手伝いをしたいと考えています。
皆で協力して、肉腫に関する最新かつ的確なアドバイスができるよう心がけています。
どうぞ、“肉腫なんでも相談コーナー”を積極的にご活用ください。

2016年9月

「たんぽぽ」メディカルアドバイザー 川井 章

(国立がん研究センター中央病院)

 

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💡 診断

💡 局所治療

💡 進行・再発例

💡 放射線治療

💡 フォローアップなど

**お力添えくださいましたメディカルアドバイザーの先生方(50音順)**

荒木 信人先生  市立芦屋病院 整形外科

今井 礼子先生  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所病院

岩田 慎太郎先生 国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍科

上田 孝文先生  国立病院機構 大阪医療センター 整形外科

遠藤 誠先生   九州大学病院 整形外科

小倉 浩一先生  国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍科

川井 章先生   国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍科

小林 英介先生  国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍科

下井 辰徳先生  国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科

末原 義之先生  順天堂大学医学部附属順天堂医院 整形外科

角 美奈子先生  がん研有明病院 放射線治療部

丹澤 義一先生  東海大学医学部附属病院 整形外科

内藤 陽一先生  国立がん研究センター東病院 乳腺・腫瘍内科

   仲野 兼司先生  がん研有明病院 総合腫瘍科

永野 昭仁先生  岐阜大学医学部附属病院 整形外科

藤原 智洋先生  岡山大学病院 整形外科

細野 亜古先生  国立がん研究センター東病院 小児科乳腺・腫瘍内科

米本 司先生   千葉県がんセンター 整形外科(サルコーマセンター)

米盛 勧先生   国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科

最終更新日: 2022年3月9日

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