放射線治療(4)

Q4.粘液型脂肪肉腫が脊椎に転移したので、放射線治療を行う予定です。どのような治療で、どれくらいの効果が期待できるのでしょうか。
 

女性の先生回答者:角 美奈子先生
がん研有明病院 放射線治療部
 
 
 
 
 
 

A.さまざまながんが骨に転移したものを転移性骨腫瘍(骨転移)といいます。症状は痛みや骨折、神経症状が代表的です。
脊椎は骨転移の多い部位であり、手術で病巣を完全に摘出することも難しいことが多いため、放射線治療がなされることも多い部位です。

 

仰向けに寝た状態で患部を前後より治療することが多く、1回の治療は10分程度ですが、ほとんどの時間は位置合わせと照射部位の確認にかかる時間であり、実際の治療時間は数分です。全身状態や病巣の状況により、より複雑な治療をする場合はさらに長時間の治療となることもあります。
副作用としては治療部位の皮膚炎と頸椎~胸椎であえば食道炎(嚥下痛)がおこります。これらの副作用は治療終了後2週間程度で改善がはじまります。

 

粘液型脂肪肉腫は縦隔や後腹膜などの軟部組織や骨転移に多く、放射線感受性がよいことが知られています。
軟部肉腫は放射線治療後の病巣の縮小に月単位で時間がかかることが多いのですが、粘液型脂肪肉腫は病巣の縮小が他の肉腫より早いことが特徴であり、週単位で期待できるという報告もあります。

 

様々ながんの骨転移の放射線治療による痛みの緩和は病的骨折や脊髄圧迫を伴わない場合、59~73%で期待できるとされます。
粘液型脂肪肉腫のみを対象とした治療効果は明らかでありませんが、他の肉腫より通常のがんに治療効果出現が似ている粘液型脂肪肉腫では同様の治療効果が期待できると考えられます。
 


 
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最終更新日: 2016年12月19日